ChatGPTが使えるようになってから、
「もっと仕事は楽になるはずだった」
そう思っていたエンジニアは、少なくないはずです。
調べ物は一瞬で返ってくる。
コードの叩き台も出してくれる。
文章も、整理も、要約もできる。
それなのに、
仕事のしんどさはあまり変わっていない。
むしろ、前より疲れている気さえする。
この記事は、
ChatGPTがあるのに仕事が楽にならない理由を、
スキルや努力の話にすり替えず、構造として整理するためのものです。
答えを押し付ける記事ではありません。
「自分の違和感がどこから来ているのか」を考える材料として読んでもらえたらと思います。
「作業」は減ったのに、「判断」は減っていない
ChatGPTが得意なのは、
・情報を集める
・文章やコードの形を整える
・考えを言語化する
こうした作業レイヤーです。
一方で、仕事のしんどさを作っているのは、
・何を作るべきか
・どこまでやるべきか
・それは本当に正しいのか
といった判断レイヤーの方だったりします。
作業は確かに早くなった。
でも、
「この方向でいいのか?」
「これを自分が背負う必要があるのか?」
という問いは、むしろ増えていませんか。
ChatGPTは答えを並べてくれますが、
どれを選ぶかは、結局エンジニア自身に残ったままです。
「早くできる」ことで、期待値だけが上がっていく
ChatGPTを使うと、アウトプットの初速は一気に上がります。
すると、周囲からはこう見えます。
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もう少しできるよね
-
それくらいすぐ直せるよね
-
ChatGPT使ってるなら早いでしょ
ツールがあることで、
自分の裁量は増えたように見えて、実は責任だけが増える状態になることがあります。
本人の中では、
「楽になった感覚」はないのに、
周囲の期待値だけが先に更新されていく。
このズレは、静かにしんどさを積み上げます。
問題が「思考」に寄ってきている
ChatGPT以前は、
手を動かす量そのものが負荷でした。
今は違います。
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どの選択肢を採るか
-
何をChatGPTに任せ、何を自分で考えるか
-
どこまで責任を引き受けるか
こうした思考と判断の密度が、仕事の中心に寄ってきています。
つまり、
しんどさの正体が「肉体的・作業的疲労」から
「精神的・判断疲労」に移動している。
だから、
「楽になっていない」と感じるのは、
能力不足ではなく、負荷の種類が変わっただけかもしれません。
「全部自分で考えている」感覚が抜けない
ChatGPTを使っているのに疲れる、という人の多くが、
実はこういう状態にいます。
-
出てきた答えを全部チェックしている
-
結局、自分の頭で最終判断をしている
-
間違えたら自分の責任だと思っている
つまり、
思考の主導権を手放せていない。
これは悪いことではありません。
ただ、その状態で
「仕事が楽になるはず」と期待すると、ギャップが生まれます。
ChatGPTは補助輪であって、
ハンドルを握るのは相変わらず自分。
その前提が整理されていないと、
「使っているのに報われない」感覚が残ります。
しんどさの正体は、能力の問題ではない
ここまで読んで、
「自分の使い方が悪いのかな」と感じたなら、
一度その考えを脇に置いてみてください。
多くの場合、問題は
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個人のスキル
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努力不足
-
ChatGPT活用の浅さ
ではありません。
環境・役割・期待値・判断の置き場所
このあたりが整理されないまま、
ツールだけが先に入ってきたことが原因だったりします。
まとめると
ChatGPTがあるのに仕事がしんどいのは、
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作業は減ったが、判断は減っていない
-
期待値と責任だけが上がっている
-
思考負荷が仕事の中心に移動している
-
主導権を手放せないまま走っている
こうした構造が重なっているからかもしれません。
「自分が弱いから」
「使いこなせていないから」
と片付ける前に、
一度立ち止まって、今の状態を言語化する価値はあります。
もし、 ChatGPTを使っているのに仕事が楽にならない、
このまま今の環境で続けていいのか迷っているなら、
一度立ち止まって整理する必要があるかもしれません。
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