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OSI参照モデルとは?
OSI参照モデルの「OSI」とは、”Open Systems Interconnection”の略で、「開かれたシステム間の相互接続」という意味です。OSI参照モデルは、1980年頃、ISO(国際標準化機構)によって策定されたモデルで自由にネットワーク通信を行う為の基板の考え方、概念となります。
OSI参照モデルは、以下のように第1層から第7層まで、7つの層(レイヤー)に分かれています。
第7層 : アプリケーション層
第6層 : プレゼンテーション層
第5層 : セッション層
第4層 : トランスポート層
第3層 : ネットワーク層
第2層 : データリンク層
第1層 : 物理層
パソコンなどのネットワーク機能のあるコンピュータ1第ごとに、このOSI参照モデルに基づいてプロトコル(規約)を守ったプログラムが組み込まれています。
層の数字が大きいほどユーザに近い層で、層の数字が小さいほど物理的な器械やネットワーク側に近くなります。
一般的に、第1層から第4層までを「下位層」、第5層から第7層までを、「上位層」と分けることもあります。
第7層(アプリケーション層)が、一般的に馴染みのある、実際にユーザが使っているアプリ・ソフトウェアの部分で、第6層以下は、ユーザは普段操作したり、意識することがない部分といったように各層で担当する箇所が存在します。
また、この7層には処理される順番があります。
送信側ユーザはソフトウェアを操作して、ある情報をある相手に送信します。その時は、7層から1層に順番に処理されて、ネットワークを経由して相手にデータが届きます。
受信側では、逆に今度は1層から7層の順番でデータが処理をされ、ソフトウェアからユーザにデータが届きます。
各層の役割
OSI参照モデルの7層を簡単に紹介したいと思います。
第7層(アプリケーション層)
アプリケーション層は、その名の通り、ユーザが使っているソフトウェア(アプリケーション)の層です。
Webブラウザなどのアプリケーションの内部で動いていて、ホームページ閲覧で頻繁に利用しているHTTPプロトコルや、メール送信のSMTP、ファイル転送のFTPなどのプロトコルがこの層です。
なお、ユーザが使っていない、裏で動作するようなソフトウェアも含みます。
第6層(プレゼンテーション層)
ソフトウェアやOSで使われている文字データや画像データのコードが、ネットワーク上の他のコードと異なる場合があります。例えば、文字コードではUTF-8やWindowsのCP932(シフトJIS)などです。
それらの変換を適宜行い、ソフトウェアやネットワーク伝送に支障がないようにするのがプレゼンテーション層です。
第5層(セッション層)
セッション層はセッション、コネクションを確立する為の層です。セッション相手との接続(コネクション)状態を開始、維持、切断などの処理を行います。
認証機能や、主な暗号化プロトコルもこの層で行われ、ホームページのセキュリティ化で使われているSSLや、Gmailなどで使われているTLSプロトコルがあります。
第4層(トランスポート層)
ホームページ閲覧などで最もよく使われるTCPや、ストリーム動画で使われているUDPなどがあります。
送信データはこの層でパケットという小さな単位に分割されます。
トランスポート層では、パケットにヘッダという付加情報を付けることで、データの抜けや誤送信などを防ぎ、管理します。受信した側であれば、分割されて届けられたパケットをまた一つの繋ぎ直します。
パケットの抜けがあれば、送信元のトランスポート層に再送要求をします。
第3層(ネットワーク層)
通信相手の端末を特定します。最終的な送受信相手を特定するのが特徴の層です。IPアドレスを管理するIPプロトコルや、物理アドレスを管理するARPがこの層のプロトコルです。
IPプロトコルは、トランスポートで付加されたパケットヘッダに、更に情報を付加することで送信先を間違えないようにします。
第2層(データリンク層)
ネットワーク層では”end to end”、つまり最終的な送受信相手だけを特定しますが、データリンク層では、
ルータなどネットワーク経路上の機器の、「次の送信先」の宛先を管理します。
Ethernetプロトコル(イーサネット、有線LAN)や、PPPプロトコル(Point-to-Point、2点間データ通信)など、ハードウェアにより近いプロトコルがこの層です。
パケットに更にフレームヘッダという付加情報を加えます。
第1層(物理層)
パソコンなどの端末上で、外部との接点を担います。RS-232や一般的にLANケーブルと呼ばれているUTP、無線や光ケーブルなどの規約の層です。
ネットワーク上のデジタル・アナログ信号をハード要件に合わせて変換をします。
さいごに
以上が、ネットワーク、通信におけるとても重要なモデルである「OSI参照モデル」です。
TCP/IPなどの通信プロトコルを理解したり、ネットワークトラブルを解決するためにも、
知っておくべき基本モデルとなりますので覚えておきましょう。